1-2 直流安定化電源
電子機器を動作させるためには安定した直流電圧が必要で、それを作るために直流安定化電源があります。
現在、直流安定化電源の方式としては、スイッチング方式とシリーズ方式とに大別できます。
■ スイッチング方式
スイッチング方式の基本ブロック図を図1.3に示します。

図1.3 スイッチング方式の基本ブロック図
スイッチング方式は整流された電圧を高速にON/OFF(スイッチング)して、高周波の交流(パルス)に変換し、再び整流する方式です。
高周波の交流にすることでトランスを小さくすることができ、小型化が可能です。また、発熱が少ないため高効率となります。しかし、スイッチングすることでノイズが大きくなってしまいます。
■ シリーズ方式
シリーズ方式の基本ブロック図を図1.4に示します

図1.4 シリーズ方式の基本ブロック図
シリーズ方式は入力電圧の変動に応じて、シリーズレギュレータにより出力を一定に保つ方法です。
ノイズやリップルは小さいですが、発熱を利用して電圧を調整しているため効率が悪く、また、高周波に変換しないためトランスが大きく、重くなります。
■ スイッチング方式とシリーズ方式の比較
スイッチング方式とシリーズ方式の比較を表1.1にまとめます。

表1.1 スイッチング方式とシリーズ方式の比較